粉体に混入する金属粒子(微細金属粒子)は、粉体がホッパーなどの金属 に接触する際の摩耗(Abrasive wear) によって発生します。その金属粒子は、主に鉄を主成分とした導電性磁性粒子です。
このような導電性磁性粒子の混入経路は幾つかありますが、代表的なものとして粉体製造工程の機器およびホッパー壁や輸送配管の内面が摩耗することによって混入します。例えば、粉体・粉末原料の粒子をさらに細かく砕く粉砕機のボール とライナがすり減ることや混合機の ブレー ドとスクレーパが摩耗する現象などが広く知られています。しかし、摩耗による磁性金属粒子の混入を避けることは容易ではありません。ところで、これらの機器に使用される金属材料として、腐食の関係からオーステナイト系ステンレスSUS304を使用することが一般的です。オーステナイト系ステンレスは、一般的に磁石に吸着しない鋼種として知られていますが、摩耗により加工誘起マルテンサイト変態が生じて磁性を有するようになります。このため、磁束密度を大きくすることで磁性金属としての除去が可能になります。
弊社では、これらの磁性金属を除去するための除鉄装置について、その性能確認を行うために試験粉体に混入させるための金属粉末をその都度作製していました。そこで、そのような目的で金属粉末を必要とするニーズに合わせて、金属粉末をg単位で販売することに致しました。一方、オーステナイト系ステンレス粒子は、粉砕粒や微細金属球では、製作時の作用する応力差から磁性にバラツキが発生致します。そこで、実際の製造工程で発生する金属異物の性状に近づけるため、細目ヤスリとSUS304金属塊との摩擦から手作業で摩耗粉を作製しております(15h/g)。しかし、人為的な誤差をともなうため、磁性粒子の粒度分布測定(レーザー回折/散乱法)や金属粒子の顕微鏡写真撮影によってそのバラつきの管理をおこなっております。
図1 SUS304摩耗粉画像
図1は、その代表的な金属粒子の画像
図2 SUS304摩耗粉粒度分布
図2はその金属粒子の粒度分布を測定
「SUS304摩擦粉」は、下記の注文フォームからご購入いただけます。ご注文前に、ご注文に関するQ&Aをご確認ください。販売予定価格: 100,000円/グラム